keatiteのラマンスペクトル の変更点


#author("2024-03-08T10:10:27+09:00;1970-01-01T18:00:00+09:00","default:masami","masami")
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*keatiteのラマンスペクトル(2023/06/20)
 キータイト(keatite)はSiOSUB{SIZE(9){2}}多形の1つで、天然ではほとんど見られませんが、非晶質シリカの水熱処理で比較的簡単に作ることができます。以前、シリコンと水を反応させてSiOSUB{SIZE(9){2}}を作るという水熱合成実験をやっていたのですが、いくつかの試料でkeatiteが出来ていることが分かりました。非晶質シリカを出発物質に使った合成はよく知られていますが、この反応での報告は過去にありません。その試料のkeatiteのRaman spectrumを測定したのですが、keatiteのスペクトルはこれまで公表されていないようなので、同定などで使えるようにここに掲載しておきます。
 keatiteのメインピークは473 cmSUP{SIZE(9){-1}}にあって、石英のメインピークより9 cmSUP{SIZE(9){-1}}程度高い波数に出るのと、他のシリカ多形でも重なるものはないので、ユニークに同定できるはずです。低波数側も結構特徴があります。keatiteには他のシリカ多形にはない5員環があって、その変角モードがこのピークに対応しています。
 その後、silicic acid+水でも水熱合成を試して、keatiteを得ました。ラマンではkeatiteメインピークの両側にちょっと肩があって、低周波数側はもちろん石英なのですが、高周波数側は既存のシリカ相では説明できず、この種の実験でよく出現するがその正体不明のsilica Xなのかなあと想像してます。moganiteではありません。この位置なので、5員環を持っていると思われます。
(2024/03/08)論文化がうまくいってなくて、どうするか現在考え中…

#image(https://mkanzaki.sakura.ne.jp/images/keatite-Raman.png,center,70%)
CENTER:Raman spectrum of synthetic keatite SiOSUB{SIZE(9){2}}