CO2レーザー の変更点


#author("2024-03-08T16:53:20+09:00;2024-03-08T16:52:45+09:00","default:masami","masami")
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*空冷のCO2レーザー(100W)を導入しました. [#o3a2b181]
#image(https://mkanzaki.sakura.ne.jp/images/CO2laser.png,center,80%)
 仕様など: Universal Laser Systems Inc.のULCR-100(オプトサイエンス社で扱っている。大阪支社から。)。波長は10.6ミクロン、空冷式の100 W連続出力。ほぼTEM00。ビーム径は4 mm。なおこのレーザーは内部的には50 Wのレーザー2本から構成されていて、それをコンバインして100 Wとして出てくる。赤色半導体レーザーをオプションで内蔵可能でガイド光として使える。コントローラーを使うとマニュアルで出力を0-100%で変える事ができます。また外部電圧(0-10 V)で出力(0-100%)を制御することも出来ます。コントローラーのマニュアル設定のつまみではあまり細かい調整ができなさそうなので、精密なDC電源を使った方がいいかもしれない。コントローラーは5 kHzの矩形波を出していて、そのduty比が出力と比例している。なのでコントローラーなしでも、ファンクションゼネレーターで直接制御することも出来るはず。
 ZnSeレンズはf=30,50,100,200 mmを用意してます(レーザーメートから購入)。ARコート付きで透過率99%。
 まだ整備や安全面が十分でないので共同利用などには使えませんが、そのうち可能になる予定です。
 現状:レーザーは10月末に納品されましたが,コントローラーに不具合があって修理のため1ヶ月ほど使えませんでした。最近コントローラーが戻ってきたので,光学系をセットアップしているところです。
-作業記録
--(2008/11/27)そのままだと天井近くにある配電盤のSWを入れるといきなり電源が入るので,まず電源SWを自作。これは[[実験装置の自作など]]の電磁接触器と同じですが,あれにはOFFスイッチがありませんでしたが、今回は付いてます。同じく瞬間停電時に確実に止める目的もあります。組み立てて接続した電源SWは正常に動いている。
--(2008/11/30)とりあえずパイロフィライトの板にレーザーを当ててみました([[動画1:https://mkanzaki.sakura.ne.jp/images/CO2laser-test.mov]])。当てた部分は白熱し、照射後見るとその部分は白くなってました。動画を見てから気づきましたが、途中で何か飛び出したりしているようです。パイロフィライトは含水鉱物なので、脱水反応のためでしょう。後で表面を実体顕微鏡で見るとガラスが泡状に出来てました。泡状になっているのも水蒸気のためでしょう。なお加熱前後に見える赤いスポットはガイド用半導体レーザーですが、あまりCO2レーザーと位置が合ってない。CO2レーザーの痕が少し楕円形な気がするので調整が必要かも。レーザー自体は問題なし。次のステップは買ってあるZnSeレンズでレーザーの集光系と顕微鏡での観察系を作ることになります。その次は温度測定用の分光器を組み込むこと。その前にDAC内試料を加熱してみる必要もある。何とか年内に…
#image(https://mkanzaki.sakura.ne.jp/images/spots.png,right,50%)
#image(https://mkanzaki.sakura.ne.jp/images/spots.png,right,40%)
--(2008/12/01) ミラー3枚使って、ZnSeレンズ(f=100 mm)にまでレーザーを導入できるようにしました。同じくパイロフィライト板に集光してみると、もちろん昨日のレンズなしダイレクトよりも小さい領域に集光されました。ずらせて2度加熱している。一応ガイド光で大体の焦点を合わせていますが、波長がひどく異なるので焦点はずれます。理論的には300ミクロンくらいまで絞れるはずですが、加熱した痕の一番小さいもので500ミクロンくらいでした。もちろんより焦点距離の小さいレンズを使ったり、ビームを予め拡げておくと、さらに絞ることができます。痕はきれいな円形だったので、レーザーの調整はとりあえず必要なさそうです。
--(2008/12/03) 顕微観察系の一応の仮組。OKであるが、いくつか高さ調整用のアダプターが必要。IR、ND、バンドパスフィルター等も観察に必要か。
--(2008/12/05) aerodynamic trap(ADT)用のパーツ製作中。
--(2008/12/07) aerodynamic trap用のパーツ一応完成。ただ試してみると試料があまり安定してトラップされない。形状など改良する必要がある。ADTのパラメーターを研究した論文を読む。
--(2008/12/23) 顕微観察系を組み立てた。試料台等との干渉はないようだ。DACは使わず試料位置にスライドガラスまたはカバーグラスを置いてf=50 mm ZnSeレンズでレーザーを集光させて熔解し、それをx5 ミツトヨ対物レンズとCCDカメラを使った顕微観察系で観察する。対物レンズの前にはレンズ保護のためにスライドガラスを1枚置く。集光点でガラスが熔解するのが観察できた。いくつかはQuicktimeでMacに動画を取り込んだ([[動画2:http://mkanzaki.sakura.ne.jp/images/CO2laser-coverglass.mov]])。次のステップはDAC内の試料で加熱テストすること。
#image(https://mkanzaki.sakura.ne.jp/images/CO2laser-DAC.png,center,70%)
--(2009/01/12) DAC中での加熱テストを始めている。まだ見せるべきものがないが。
--(2009/01/16) 今の部屋の改装準備のためにCO2レーザー関係一式を昨夜ラマン実験室に移動した。今朝レーザー側は配線などして使えるようにした。光学系はこれからセットアップ。
--(2009/01/23) ここ数日で改装の準備が大体済んだ。今日は〆切間近のreviewを終え、制御箱を製作。ガイドレーザーのON/OFFスイッチ、インターロック端子、TTL出力をデジボルで見るための端子をつけた。コントローラーと組み合わせて問題ないことチェックした。外に出ていた一時しのぎの配線を全て箱の中にいれたのでスッキリした(安全でもある)。
-使用手順
--室温が10度以下だと動作に問題が出るので、作動させないこと。35度以上もだめ。
--空冷ファン付近(後方出口も)に物がないことを確認。ゴミなどか落ち込まないようにファン上部にアクリル板などを置いていることがある。確実にどかすこと。
--レーザーの光路を確認する。射出窓付近に余分な物が置いてないか。光学素子は全て設置されているか。ビームの最後はちゃんと処理されているか。人間との間にアクリル板を立てる。
--観察用対物レンズの前にはガラス板を置いて、対物レンズを保護する。
--配電盤の3相電源をON(天井近くです)。
--CO2レーザー用のメガネ/ゴーグルを着用。
--インターロックをセットする。
--コントローラーはマニュアルモードで出力0に設定し、電源ON。
--電源ボックスのONスイッチ(緑)でレーザー電源が入り、ファンが回り始める。
--赤色ガイドレーザー光が試料にまでちゃんと届いていることを確認。
--出力つまみを廻して、必要な値にする。
--停電時は電源ボックスのリレーが切れて、電気復帰後に稼働しないので、再度電源ボックスのスイッチをONにする。
--実験終了後、出力を0に。コントローラー電源OFF。電源ボックスのOFFスイッチ(赤)でレーザー電源OFF。配電盤のスイッチOFF。
--ZnSeレンズはマウントごと取り外して、デシケーターで保管する。
--射出窓(これもZnSe製)が汚れるので、窓近くで物を加熱しないこと。
--専用ノートを用意するので使用記録をつけること。
--ZnSeレンズはホルダーに入れてあるので、そのホルダーごと必要に応じてレンズマウントに取り付ける。なおレンズの平坦面を試料側に向けること(平凸レンズ)。