超小型ホットプレート の変更点


#author("2024-09-28T10:46:36+09:00;2024-09-28T10:41:16+09:00","default:masami","masami")
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*超小型ホットプレートを加熱ステージとして使う(作成2024/09/28)(更新)
#image(https://mkanzaki.sakura.ne.jp/images/MHP30.png,center,30%)
CENTER:MiniwareのMHP30超小型ホットプレート
#contents
**超小型ホットプレート
 リフロー(半田付け)用のホットプレートを最近よく目にします。これを実験用の加熱ステージに使えないか検討してみたというのがこのページの話題です。ただ目的がリフロー用なので最高温度は350度のものがほとんどのようです。最近、加熱ステージのヒーターを切ってしまい、ヒーター交換の予算もないのでどうしたものかと考えていたら、(以前SwitchScienceで見たことがある)超小型ホットプレートのことを思い出しました。目的としては顕微ラマン装置での加熱実験用なので、あまり嵩張ったもの(特に高さがあるもの)は困ります。このホットプレートは超小型なので都合よさそうです。また、3万円以内と値段もそれほど高くありません。早速共立エレショップで購入しましたが、SwitchScienceが取り扱っていますので、直接SwitchScienceからも購入できます。
 リフロー(半田付け)用のホットプレートを最近よく目にします(電子工作好きなので)。これを実験用の加熱ステージに使えないか検討してみたというのがこのページの話題です。ただ目的がリフロー用なので最高温度は350度のものがほとんどのようです。最近、加熱ステージのヒーターを切ってしまい、ヒーター交換の予算もないのでどうしたものかと考えていたら、(以前SwitchScienceで見たことがある)超小型ホットプレートのことを思い出しました。目的としては顕微ラマン装置での加熱実験用なので、あまり嵩張ったもの(特に高さがあるもの)は困ります。このホットプレートは超小型なので都合よさそうです。また、3万円以内と値段もそれほど高くありません。早速共立エレショップで購入しましたが、SwitchScienceが取り扱っていますので、直接SwitchScienceからも購入できます。
**Miniware MHP30
 一番上に示しているのが購入したMiniwareのMHP30です(LEDが赤くなっているのは温度が200度を越えているからです)。ホットプレートのサイズは30x30 mmとマニュアルではなってますが、実測は31.1x31.1くらいでした。高さは実測51.2 mmくらい。非常にコンパクトです。ホットプレート部分(上半分)は取り外しが可能です。この高さなら顕微ラマンで問題なく使えます。電源は付属してないとSwitchScienceや共立エレショップの説明には書いてあったのですが、私が入手したものでは付属していました。ただ電源端子が国内用ではなく、変換プラグが別途必要でした。電源はUSB-Cケーブルで供給していますが、電圧20Vで最大65 W必要と付属文書には書いてありました。USB-CはPCにつないでファームウエアのupdateにも使えます。
 写真では見えませんが、裏面にそのUSB-Cの端子とその両脇に2つのボタンスイッチ(A,B)があります。このスイッチで温度設定などができます。ホットプレート下部にはLEDがあって色でステータスを示すようになってます。顕微ラマン的には邪魔でしかないのですが、その光はホットプレート側には来ないので多分大丈夫そうです。
**加熱してみる
 とりあえず何も乗せずに加熱してみました。Aボタンを押すとプリセットした温度(220度)に加熱を開始します。プリセットは3点あって(220, 250, 300度)、Aボタンで切り替えられます。Aボタンを長押しすると任意温度に設定可能になります。A, Bボタンで設定温度を上下させて、そのまま数秒待つとその温度に加熱を始めます。表示温度を見ていると、加熱時には最大10度のovershootが見られました。また設定温度に到達した後に数度のふらつきが見られました。加熱は早くて1〜2分で300度まで到達します。加熱を止めるのはBボタン長押しでいいようです。しばらく加熱継続していると下部のコントローラー側も結構温度が上がります(40度くらい)。
#image(https://mkanzaki.sakura.ne.jp/images/MHP30-test.png,center,30%)
**温度の校正
 実体顕微鏡にMHP30を置いて、ホットプレートの上に直径20 mm厚さ0.2 mmの白金円盤を載せて、その真ん中にNH4NO3とNaNO3のかけらを載せて、それらの融点を観察して表示温度との温度差を推定してみました。上の写真はその時の状況。白金円盤を載せる理由は校正では硝酸塩など融かすので、融けたものとホットプレートが反応等しないようにするためです。overshootするので融点で校正するのはちょっとやりづらいのですが。
 実体顕微鏡にMHP30を置いて、ホットプレートの上に直径20 mm厚さ0.2 mmの白金円盤を載せて、その真ん中にNH4NO3かNaNO3のかけらを載せて、それらの融点を観察して表示温度との温度差を推定してみました。上の写真はその時の状況。白金円盤を載せる理由は校正では硝酸塩など融かすので、融けたものとホットプレートが反応等しないようにするためです。overshootするので融点で校正するのはちょっとやりづらいのですが。
 NH4NO3は融点が170度ですが、設定温度163度で少しovershootして168度まで上がって融けました。ただまた温度が163度まで下がってくると結晶化します。融けるところは表示温度で167度くらいでした。このように結晶化が直ちに起こるものはovershootしてもまたやり直せます。
 NaNO3は融点が308度です。こちらは294度くらいで融けました。こちらは冷却しても明確に結晶化が分からなかったので、一度融けた後はメルトが動いているかどうかが融点の判断になります。なので表示温度よりも少し温度が高いという結果が得られました。
 NaNO3は融点が308度です。こちらは294度くらいで融けました。こちらは冷却しても明確に結晶化が分からなかったので(全体が透明なまま)、一度融けた後はメルトやメルト内部が動いているかどうかが融点の判断になります。
 2点しかできてませんが、ホットプレートの温度は表示温度よりも少し高いという結果が得られました。
**まとめ
 MHP30超小型ホットプレートは超小型なので、既存の実験装置に組み込みやすい。少しovershootするところと数度の温度変動があることが許容できれば加熱ステージとして実験にも十分使えそうです。実際の温度は表示温度よりも少し高め(ただ装置個体差あるかも)。
 MHP30超小型ホットプレートは超小型なので、既存の実験装置に組み込みやすい。少しovershootするところと数度の温度変動があることが許容できれば加熱ステージとして実験にも十分使えそうです。実際の温度は表示温度よりも少し高め(装置個体差があるかも)。ただし最高温度は350度まで。