白金、金管などの溶接機の自作についてかなり前に書いてますが、最近装置を更新したので、それについてここで書いてます。以前の装置はスライダックでAC電源からの電圧を変えて、それをダイオードブリッジで整流、コンデンサーで平滑化する方式でした。問題なく20年以上動いていたのですが、1つだけ気掛かりなところはスライダックが絶縁されていないので、コンセントへの差し方(向き)によっては感電の危険性がありました。最近は電圧可変のDCスイッチング電源が1万円以下で入手できるようになっているので、それを使って従来のものを置き換えてみました。
使ったDCスイッチング電源はアマゾンで入手した電圧最大60 V、電流最大10 Aで600ワットのものです(ただ電圧は実際はもう少し上がるようです)。電圧はツマミで設定できます。また電圧・電流も表示されます。これまで使っていた溶接機では40-55 Vくらいで使っていたので、60 V電圧のものを選んでます。電流は10 Aは流れてないと思いますが、5 Aでは足りなさそうなので、10 Aを選びました。ただ私の買ったものは電源線を固定するネジをドライバーで回す時に電流ツマミが邪魔で固定しづらいという問題がありました。
このDCスイッチング電源を使えば、後は抵抗、ピンバイス、溶接するものを固定するバイスがあれば溶接機ができます。抵抗は電流が流れすぎるのを防ぐために使います。私は電気炉で使うヒーター用のワイヤで0.4 mmくらいのものを使ってます。それを6オームくらいになるような長さでカットして、使ってます。6オームにする訳は、60 Vで放電した時でも電流を10 Aに制限するためです(オームの法則から)。抵抗を介さないで放電させると、電流が流れすぎたり、電源を壊したりする可能性があります。ただスイッチング電源には過電流を防ぐ機構があるようですが。
ピンバイスは両側あるタイプで、片側をシャープペンシルの芯を固定するために使い、もう片側を電線を固定するために使ってます。また安全のためにピンバイスには絶縁チューブを被せています。放電棒にはシャープペンシルの芯を使ってます。ピンバイスにはスイッチング電源のマイナス側を繋ぎます。
バイスはミニフライス盤のものを流用しています。それに1 mm厚の銅板を取り付けています。実際白金管を固定するのは銅の部分です。バイスの写真を下に示してます。
今回は抵抗部分は抵抗が変えられるようにワイヤを6オームをちょっと超えるくらいの長さで張っておいて、ワニ口クリップを留める位置で抵抗を変えられるようにしてます。ただ以前の装置では抵抗は固定だったので、抵抗を変えられるようにする必要性はないと思います。
一番上の図は完成した装置になります。試しに白金管の溶接を行ってみましたが、特に問題なく溶接できました。なお使う時は溶接用のサングラスをしてください。