Bond_Valenceパラメータセット の履歴(No.1)


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bond valenceパラメータセット (2022 2/21作成)

 Bond valenceパラメータについては、I.D. Brown先生がcifファイルにまとめられていて、IUCRのこちらのWebページからダウンロードできます。ただ、これはこれまで論文で公表されているものを全て集めているので、同じイオン対に対して複数のパラメータが存在して、どれを使っていいのか迷うことがあります。実際によく利用されているのは、Brese&O'Keeffe, Brown&Altermatt, Gagne&Hawthorneが結晶構造データベースから総合的に決めたデータセットのどれかを使うことが多いので(その方がコンシステントな結果が得られる)、それらのデータセットをそれぞれ独立のファイルにまとめたものを作りました。元論文から私が値を拾って作ったものです。
 この中ではGagne&Hawthorneが最新ですが、これは陰イオンは酸素のみです(酸化物にしか使えない)。陰イオンとして酸素以外を含む場合は、Brese&O'KeeffeかBrown&Altermattのパラメータを使う必要があります。その2つは陰イオンとしてF, Cl, Sなどを含みます。特にBrese&O'Keeffeは多くの陰イオンを含んでますが、O,F,Clとそれ以外(Br,I,S,Se,Te,N,P,As,H)ではちょっと取り扱いが異なってます。後者では多少精度が低いこと、複数の価数を持つ陽イオンを区別してないという特徴がありますので、注意が必要です。そのため、それらの場合にはBrese&O'Keeffeのデータセットで対応するものの陽イオンの価数を*で示してます(価数がユニークでないため)。Brown先生のcifファイルではそれを9として表示している様ですので、そちらでも注意が必要です。
 これらは自分の計算で使うために作成しましたが、公開します。Brown先生のcifから抽出したものではありません。自由に使って下さい。ただ、タイプミスがないとは保証できません。
 私自身はこれを使って、以前作ったbond valenceおよびvectrial bond valenceをcifファイルから計算するPythonスクリプトを改良する予定です。このスクリプトはGagne&Hawthorneのパラメータをスクリプト中に埋め込んでいたので、それを外部ファイル化し、さらに別のデータセットも使えるようにする予定です。取り敢えず、あるイオンペアがそれらのデータセットにあるかどうかチェックする小さいPythonスクリプトを作成してみました。