Acoustic_levitator
の履歴(No.1)
AND検索
OR検索
履歴一覧
差分
を表示
現在との差分
を表示
ソース
を表示
Acoustic_levitator
へ行く。
1 (2024-03-08 (金) 13:49:30)
70ドルのacoustic levitatorキット
†
安いacoustic levitatorキットを
Makerfabs
で売っていたので、買ってみた。これは多数のトランスデューサーを同じ位相で駆動して、生じた音波の節に小さな物体を空中に捕捉するものである。手持ちのCO
2
レーザーと組み合わせて、難ガラス化物質を容器なしでガラス化するとか、コンドリュールのシミュレーション実験などに使えないかと考えた。ただ、密度の高い粒子を浮上させるには、出力増加など改造が必要なように思うが、まず最初の1歩として。
このキット自体は70ドルだが、送料が同額くらいかかった(DHLにしたら、田舎ということで30ドル余計に取られた)。数日で届く。届いたキットの中身を下の写真に示す(これ以外にケーブル等が他にある)。小さい基板がArduino Nanoによる制御部分で、大きい基板はトランスデューサーのドライバー用回路(汎用モータードライブ回路を流用しているようだ)。黒いパーツはトランスデューサー、白い枠はトランスデューサーを2方向から取り付けるためのもの。なお、作り方は
ここ
に詳しくあるので、自分で部品を集めて作ることも可能。トランスデューサー取り付け枠は3Dプリンターデータが置いてある。キットは小型版であるが、中型版、大型版の作り方もある。それらはもっと大きいトランスデューサーを使う。
トランスデューサーには一応極性が書いてあるが、全然あてにならないということで、まずトランスデューサーの極性のチェックから始める。76個くらいあるので結構大変。確かにメーカー表示の極性は全然正確ではなかった。極性チェックは不可欠だ。間違っていると位相が逆になり、粒子の保持力が弱くなる。私はオシロスコープにつないで極性をチェック。しかしこの方法は現在obsolateとなっていて、オシロスコープがなくてもチェックは可能。
とりあえず、トランスデューサーの極性チェックは終了した。なお、制作には半田付け用の道具以外では、グルーガンが必要。オシロはかならずしも。Arduino nanoへプログラムをアップロードするためにPCも必要。
(4/29)今日はまずトランスデューサーを全部取り付けた。グルーガンでトランスデューサー側に少しグルーを付け、枠に取り付ける。取り付ける向きがあり、先の極性チェックでプラス側が全て中心を向くようにする。さらにトランスデューサーの半田付け。必要なワイヤーもキットに付属している。
さらにArduino Nanoへプログラムをアップロード。この辺の説明はサイトに一切なく、Arduino使用経験者を想定しているようだ。前にArduinoで一度遊んだことがあるので、Macに古いArduinoアプリケーションは既にインストール済み。思い出しながら、やってみる。まずNanoへアップロードするプログラム(Nano_tinyLev.ino)は上記サイトからダウンロードできる。付属のUSBケーブルで、Arduino NanoとMacをつなぐ。Mac用Arduinoアプリケーションを起動。最初に出てくるsketchは無視して、ファイルメニューから、先ほどダウンロードしたファイルを開く。比較的簡単なプログラムで、電源へパルス信号を送るもの。スケッチメニューから一度コンパイルしてみる。エラーは出なかった。ツールメニューから、ボードを現在のボード(Nano)へ変更。さらにポートもUSBへ変更。これらが正しく設定されていないと「マイコンボードへ書き込む」時にエラーが出る。スケッチメニューから「マイコンボードへ書き込む」を選択。エラーなく、書き込みが終了した。Nanoを取り外す。
(4/30)バラックで残り部分の配線をして、電源入れてみた。問題なさそう。試しに発泡スチロールのカケラを浮かせてみた(下の写真)。3個浮いているが、左側は回転している。水の球も試したが、今の所失敗している(落ちる)。パワーが足りない。現在9 V電源アダプタ(キット付属のもの)を使用している。12 Vを試してみたが、ドライバーICがかなり熱くなってくる。
改造して、もっと密度の高いものを浮かせたいのだが、時間がない…
なお、この装置の論文も出ている。A. Marzo, A. Barnes, B.W. Drinkwater, Tinylev: A multi-emitter single-axis acoustic levitator, Review of Scientific Instruments, 88, 085105 (2017)