教材動画 の履歴(No.1)


OUOperatingGrant.png

教材になりそうな動画等を集めています.


鉱物振動モードgif動画

 これらはDFPTフォノン計算の結果を示しています。

quartz-A1-mode.gif
石英のラマン463 cm-1 A1モード
coesite-Ag-mode.gif
coesiteのラマン520 cm-1 Agモード
stishovite-B1g-mode.gif
stishoviteのラマン231 cm-1 B1gモード
brucite-A1g-OH-mode.gif
bruciteの対称OH伸縮モード(A1g) Raman active
brucite-A2u-OH-mode.gif
bruciteの逆対称OH伸縮モード(A2u) IR active

動画が見えてない場合はタイトル部分が動画へのリンクになってます。

石英の圧縮による結晶構造変化

 室温高圧下の測定結果をgif movieにしたもの。上のリンクをクリックしてください。結晶構造データは、Hazenらの論文から。gifはVESTAから結晶構造をpngで出力して、それらをKeynoteで読んで、圧力値等を追加、それをgif movieとして出力したもの。もっと広く2x2x2セルで表示したものがこちら。6員環のように見える部分が潰れて3員環的になるのが見える。実はここはラセン状に繋がっていて、実際には6員環ではありません。

石英の加熱による結晶構造変化

 高温下の測定結果をgif movieにしたもの。上のリンクをクリックしてください。結晶構造データは、Kiharaの論文から。高温石英相(ベータ相)に転移すると構造変化がほとんど見られなくなる。gifはVESTAから結晶構造をpngで出力して、それらをKeynoteで読んで、温度値等を書き込み、それをgif movieとして出力したもの。

Na2SO4相転移の偏光顕微鏡観察

 Na2SO4の加熱に伴う融解と冷却による結晶化を動画にしたもの。ワイヤーヒーターの穴に保持された試料を観察しています。最初加熱しているので融解が見られる。その後冷却したので結晶化が観察されます。試料中央部の上面と下面が温度的には低いので、融解は穴周辺部から始まり、結晶化は両面の中心から始まります(片側はピンボケしている)。撮影はオリンパス顕微鏡にマイクロネットのi-NTER LENSを取り付けて、iPhone11を使ってます。画像がゆらゆらするのはヒーターによる空気の対流です。右下側の丸いものは空気の泡。

K2SO4相転移の偏光顕微鏡観察

 K2SO4の850 ˚Cで生じる六方晶(高温相)から直方晶(低温相)への相転移。これはワイヤーヒーターで一度融かして、メルトが穴を充填した後に冷却してから見てます。融点自体は温度校正に使ってます。偏光をクロスにすると六方晶が見づらかったので、クロス位置からずらせて撮影してます。撮影にはオリンパス顕微鏡にマイクロネットのi-NTER LENSを取り付けて、iPhone11を使ってます。この動画では温度を下げていて、六方晶から直方晶(カラフルな方)への転移が見られます。

NH4NO3相転移の偏光顕微鏡観察

 (2020/08/06追記) 昨日起こったベイルートでの爆発は硝酸アンモニウムが原因のようです。過去にも硝酸アンモニウムによる巨大な爆発が報告されてます。以下ではその硝酸アンモニウムを取り上げていますが、ここで使っているような非常に少量で、かつ単体で扱っている場合には危険はありません。
 解説:(28 MBあります) 硝酸アンモニウムは融点が約170 ˚Cで、室温に冷却するまでに、立方晶、正方晶、直方晶I、直方晶IIへと転移していきます。比較的低温度で、このような多彩な相転移を示す物質はそう多くはありません。ホットプレートでスライドガラスを180 ˚Cくらいまで加熱して、その上に硝酸アンモニウムを少し乗せて、カバーグラスをかけ、融かすことで、簡単にプレパラートを作ることができます。冷やして偏光板に挟んで観察してもいいのですが、熱いまますばやく偏光顕微鏡へ持っていってやると(もちろん直接手で触れるとヤケドします)、相転移を観察することができます。特に直方晶相はカラフルなので、偏光顕微鏡観察に最適です。昔、顕微鏡実習でこれを利用していたことがあります。また、最近も研究所の見学時のデモとして利用してます。偏光顕微鏡で見るための岩石薄片を作るには時間がかかりますが、これだと干渉色の綺麗な薄片を簡単に作ることができます。最初の方の転移が早すぎる場合は、スライドガラスを2枚重ねにするなど、冷却速度を遅くする工夫を行います。残念な点は硝酸アンモニウムは水を吸いやすいので、そのまま放っておくと溶液になってしまいます。それと硝酸アンモニウムは最近は手に入れづらいようですが、学校関係だと少量の入手は難しくないはずです。このビデオでは、最初にメルトから結晶化が7秒くらいで起こります。33秒くらいで、見づらいですが、左側で縞々が見えるようになります。これが多分、正方晶への転移だと思われます(あまり自信がない)。45秒くらいでカラフルな相(直方晶I)が成長するところが見えます。さらに1分7秒くらいで別の転移(直方晶IからII)が見られます。実はそのまましばらく待つともう1つ転移が見られます(ビデオにはない)。ただこれだと1つ相転移が多いので、正方晶と解釈したのがそうでないのかもしれません。なお、過去の研究によると、含水量などで転移温度が変わったり、転移のいくつかがバイパスされたりするそうです。

MgSiO3のprotoenstatite/clinoenstatite転移

 上記リンクをクリックしてください。うまく見えない場合は一度リンク先を保存して、保存したファイルをダブルクリックしてください。
解説:MgSiO3輝石の高温相であるprotoenstatiteから低温相(安定相かどうかはいまだ不明)のclinoenstatiteへの転移による焼結体の変化の様子。1500 ˚Cの電気炉で焼結された2つのペレットを室温に取り出して放置した状態を見ています。転移に伴う歪みによってペレットが崩れていく様子が分かります。ペレットが膨張しているように見えますが、転移により結晶自体の体積が増加している訳ではありません(実際はその逆)。ファインセラミックス等でこの手の転移があるものの焼結体を作る場合には、添加物などを加えて転移を抑える必要があります。そうでないと動画のように冷却時に壊れてしまいます。冷却された試料を29Si MAS NMRで測ると,主にはclinoenstatiteに転移していますが,1/3くらいはprotoenstatiteが残っているのが見られました。その後、このprotoenstatiteが急冷できることをもう少し詳しく調べて、論文として公表してます(解説JMPS2017-1)。

2相流体の高温高圧下での観察

 上記リンクをクリックしてください。うまく見えない場合は一度リンク先を保存して、保存したファイルをダブルクリックしてください。 解説:水を多量に含むSr長石を高圧下(3 GPa)で加熱中のX線ラジオグラフィ像(レントゲン写真)。水に富んだ流体が小さい泡として生じ、上方に移動して半球状に集積する様子が観察されます。この圧力・温度条件では2相(水に富んだ流体とケイ酸塩メルトの富んだ流体)が共存していることがわかります。地震研の三部さん達との共同研究。表示されている温度は実際の試料温度よりも150 ˚C程度低くなってます。この実験は雑誌に発表されています(Geochim. Cosmochim. Acta., 68巻,p.5189-5195, 2004)。実験はSPring-8 BL04B1で行われました、

塩化ナトリウムの結晶化

 解説:ワイヤーヒーターの温度校正の1つとして塩化ナトリウムの融点を使ってます(融点801 ˚C)。この動画はその時撮った動画で、塩化ナトリウム融液から塩化ナトリウム結晶が生じる様子を示しています。温度勾配の関係で穴の上面と下面両方でほぼ同時に結晶化が起こっているようです。

光ピンセット

 解説:レーザーを絞った部分に透明な微粒子等をトラップすることを光ピンセット(optical tweezers)と呼びます。この現象の発見者がノーベル物理学賞を受賞しました。私は光ピンセット関係の研究をしている訳ではありませんが、自作の顕微ラマンシステムをそのまま使って、光ピンセットができるかを試したことがあります。その動画を置いておきます。試料は牛乳を水で薄めたもの。丸いのは脂肪の球で直径5 ミクロンくらい。これらを集めて固めたのがバターです。使っているのは、488 nmアルゴンレーザー、20 mWくらい。x50の対物レンズを使った。TVカメラ前に色々とフィルターなど入っているので、画像のレーザー光はかなり減光されている。XYステージをゆっくり動かすと、球がレーザースポットについてくる。速く動かすと、追従できなくて取り残される。周りの粒子がふらふらしているのはブラウン運動と、それに加えて装置自体の振動も少しあるため。トラップされるためには粒子は透明でないといけない。