クレーター底のcoesite の履歴(No.1)


Coesite in Meteor Crater (Arizona) (last updated 2020/03/10)

隕石孔の砂岩(石英の高圧相)

 ホリミネラロジーで以前買ったMeteor Craterの衝撃変成を受けた砂岩をラマン分光法と粉末X線回折法で調べてみた。もともと砂岩があったところに、鉄隕石(Canyon Diablo)が落ちてきて、衝撃変成を受けているために、砂岩の主鉱物であった石英が一部高圧相に変化していることが古くから研究で知られている。実際、天然のコーサイトとスティショバイトはここで最初に見つかった。
 顕微ラマン分光法では、石英とコーサイトがすぐに検出されたが、さらに高圧相のスティショバイトはカジュアルな測定では見つからなかった。コーサイトは地球内部では60~80 km以深で生じる。ラマンスペクトルを下に示す。一番上には比較のために、合成したコーサイトのスペクトルを示す。よく一致している。

Meteor_Crater_sand_Raman.jpg